沖縄本島1周サバイバルラン2019

何故だかまた戻って来てしまった...ここ沖縄へ

沖縄本島1周サバイバルラン

去年、心も身体もズタボロになりながら何とかゴールできた

もう2度とやらないと決めたのに

「また出るの!」と何度言われたことか

自分でもよくわからない

ただただ走るだけの400km

辛くて辛くて辛い

でも去年の完走者だから言えることがある

自分の全てを注ぎ込んでも、まだ足りない

そこから絞って絞ってからの達成した時の喜び

その後の身体の痛みすら気持ちいいんだ


この1年沖サバを完走した喜びだけで、うまいビールが飲めた

おつまみなんかいらないよ

あの72時間の想いでだけで十分





今年もやってやる!






【大会概要】

スタート ゴールが沖縄国際ユースホステル(奥武山公園近く)

総距離400km
制限時間72時間

ただしチェックポイントが3か所

第1チェックポイント 残波岬(34km・5時間)
第2チェックポイント 辺戸岬(128km/162km・24時間)
第3チェックポイント 海中道路西口信号付近(131km/293km・48時間)

この時間までに各チェックポイントを通過しないといけない

スタートは昼12時


10時30分頃に会場入りした

沖縄の大会はこれで4回目

さすがに雰囲気にはなれたもので、久しぶりの再会もあり

これから始まる長い旅路を考えると緊張感も多少あるがリラックスして臨めた気がする


主催者の沖山さんからのブラックジョーク混じりのあいさつの後

恒例?の400kmのコース説明をブワッーと息つく暇なく説明する

初めての選手はほとんどわからないだろね

でもこれがいいんだ

なんか心地いい


色々なことを想定した上で持っていく物をバッグに詰める

よし行くぞ


スタートは1グループ10人ちょっとの2分間隔でのグループスタートになる


カウントダウンの後、12時に第1グループがスタートした

前回完走者は最後のグループだ 15名になる

初めて超ウルトラを走った時は化け物かと思った選手が今は隣にいる

ほんと成長したよ自分

なんだか嬉しくなった


いよいよ最終グループのカウントダウンからスタートだ!

とにかく先は長いゆっくり走り出す

ムワッとした湿気を感じながら那覇の街中を走る

もうすでに汗が吹きだしてくる

今回はタフなレースになるだろうと、皆が言っている


まず目指すは第1チェックポイントの残波岬34kmを5時間以内到着しないといけない

走り出して間もなく浦添に入った

信号が多く、どうしても集団走になってしまう

あまり集団で走るのは好きではないが、今はしょうがない なんせ先は長い

スタートから9kmちょっとで第一エイドの牧港交差点についた

どの大会でもそうだが、ボランティアスタッフのおかげで成り立っている

特に少しハードな大会はなおさらだ

本当にありがたい

しかもほとんどのスタッフが現役の選手であり

変態ランナーも隠れている

だが1番の変態ランナーは主催者なのは秘密にしておこう


浦添を抜けると宜野湾に入る

宜野湾に入る頃にはある程度集団もばらけ、走りやすくなった

エイドもあるが、基本的には補給はコンビニを使う

いつ、何を、どれくらい補給するのかは自由だ


前回の経験から今回は補給、睡眠、擦れ対策に重点をおいていた

おそらくいくら食べてもエネルギーは足りないだろうから

なるべくしっかり食べれる時は食べる様にするつもりだ

その名も『おにぎり作戦だ』

空腹を少し感じるとコンビニに入り、おにぎりを買う

止まって食べると時間がかかるので歩きながら食べる

慌てると内臓に負担がくるので、しっかり咀嚼だ

時間のロスも少なく、補給もバッチリ一石二鳥なはずだ


宜野湾を抜けると次は北谷、嘉手納、読谷に入る

読谷に入ると少し坂が増えるが、まだまだ序盤

あまり無理はせず、上りは歩いていく

しかし蒸し暑い

汗で全身びっしょりだ

内地からの選手はこの暑さは相当堪えるだろうな


やがて第1チェックポイントの残波岬に到着した

昨年よりも10分も遅い

エイドで沖縄そばを頂く

うまい!身体の隅々までエネルギーがいきわたる感じがする

あまりゆっくりは出来ないので、そそくさと出発する

出発後すぐに大雨が降りだした

レインジャケットを着おうかどうか迷ったが、雨に濡れるのも悪くないので構わず走り続けた

熱を持った身体が冷やされ心地いい

やはり悪天候は好きらしい

疲れがどんどん抜けてきて、快調にピッチを刻む



やたら長い恩納村に入った

薄暗くなってきたので、反射ベルトとヘッドライトを着け夜道を進む

50kmで6時間ちょっとかかった

悪くないが少し疲労感がある、まあ気のせいだろう

時折小雨がちらつくが、寒くないのでアイシングにちょうどいい

そして名護のすき家目指して走り続けた


毎回苦しめられる名護湾

ずーと先に名護の明かりが見えるが、なかなか着かない

加えて海からの強風が体力を削っていく

が、もう頭の中はすき家の牛丼が大半を占めている

いい感じにお腹も空いてきた 牛丼!牛丼!牛丼!

牛丼まで残り1kmほどでまた強めの雨が降ってきた

せっかく乾いていたのに、びしょびしょのままではお店に入りずらい

急いで遠くに見えたコンビニまでダッシュする

お水だけ買い、いつ止むのかわからない雨を待つより急いで駆け込もう

走り出したはいいが、更に強まる雨

一旦屋根があるとこに避難し、レインジャケットを着てから再出発

本当に申し訳ないが、それなりにびしょびしょになりながらすき家に入店

念願の牛丼を頂き、エネルギー満タン

ここからは名護の街を抜けると真っ暗な夜道をヘッドライトの明かりだけで進むことになる


さらに雨が強くなり、突風も吹き荒れる

どうやら大雨警報も出ていたらしい

止まれば寒いが走っている分にはさほど問題はない

周りに誰もいない中、大雨強風が吹き付ける真っ暗闇を走り続ける

少し恐怖も感じるが、今は余計な感情なので切り捨てていく

恐怖を感じても何もプラスにはならない

淡々と走って歩いてを繰り返す


美ら海水族館を少し過ぎた辺りが100kmになる

13時間半くらいか

やっと100km?もう100km?どちらにしてもまだ4分の1

まだまだこれからだ

本部から今帰仁に入ると長い坂道が多くなる

去年の記憶を頼りに走るが

思っていたより距離が長く感じる

こういう時は自分で感じている以上に身体が疲労している合図だと思う

内臓のダメージもあり、少し気持ちが悪いが

食べないことには先はないので、少しづつ食べながら先に進んだ


雨で濡れたことにより、いろんなとこが擦れて痛い

初日にこれだけ擦れると先が思いやられる

足は回復したりするが、皮膚のダメージは手を打たないと悪化の一途を辿る

いろいろ試し、ダメージを最小限に抑える

こういうとこは経験がものをいうのだろう



暗い夜道を駆け抜け、58号線に帰ってきた

ここから辺戸岬までフルマラソン1本分になる

どうやら大宜見のエイドでカレーが用意されているそうだ

もう頭の中はカレーが大半を占めている

カレー!カレー!カレー!

カレーの為に頑張るんだ!海岸線を北上して行く

この辺りも同じ様な景色が続きメンタルには堪える

コンビニに寄ったが、やはり気持ちは悪い

お腹は空いているが、気持ち悪い

つわりってこんな感じなのかなと思ったが、確認しようがない

チョコレートだけ買い、食べながら走り出す


10数キロを走り終え、大宜見のエイドに着いた

気持ち悪いがカレーは食べたい

少しづつ口に運ぶ...うまい

慌てずしっかり咀嚼

心も身体も満たされた


足裏がずっと痛いので、靴を脱ぎテーピングを張りなおす

10時間以上濡れた足裏はふやけて真っ白

出来れば乾かしたいがそんな時間はない

今出来る処置を行い、残り30km辺戸岬を目指す


長かった夜もあけ段々と明るくなる

しかし昨年よりも40分も遅れている 急がねば


国頭に入り、最後のコンビニで補給を行った

もうこれから100km以上コンビニはない 次に会えるのは辺野古になる

走り続けるのはきついので、走って疲れたら脚を休ませる為に歩くを繰り返す


トンネルをいくつか抜け、急な坂を上る

ここを抜ければすぐそこだ

やったみえた!第2チェックポイントの辺戸岬だ

何とか11時までに着くことが出来た

ここまでは悪くはないが、余裕はない

軽く補給を済ませ、擦れて痛いとこにテーピングを貼り、出発した


ここからはトラウマ級の坂地獄が続く

上りは歩き、下りと平地は走る

去年のタイムより40分も遅れているので、ここで取り返すんだ

少し焦りがうまれていた

いくつか坂を越えて、下りを走っていると右腿に痛みが走る

ズキッとしたが、激痛ではない

でも脚が上がらなくなった

まあそのうち治るだろうと思っていたが、一向に変化なし

走れなくなった

身体を回復させるのは、2つしかない

『食って寝るだ』ただ寝る時間は絶望的にない

なら食うだけ、奥の集落でそばを食べた

休んだ分固まった身体を動かしながら、どうにか走ろうとするが走れない

走れない分どんどんどんどんメンタルが侵されていく

痛かった足裏もさらに痛みを強く感じるようになり

いろんな弱い部分がさらに表面化してきた

調子がいい時には気にならないことも身体がいうことをきかないとメンタルがやられていく

負のスパイラルに陥っていった

それに眠くてしょうがない

もう30時間以上寝ていない

何十苦だよこれ...


何かと理由をつけてリタイヤにしたがる自分がいる

その反面まだ諦めたくないと思う自分もいる

この場合どっちが天使で、どっちが悪魔なのか?感情のせめぎ合いだ

ただ一つ言えることは足が痛くて時間がない

止まるわけにはいかない

自分の中でボーダーラインを設定した

次の安波に18時までに着かなければやめよう

それ以上遅れるとその先はかなり難しくなってくる


やはり右脚は上がらない

むしろさっきより悪化している

そらそうだろう休みなく進んでいるのだから

タイム設定をしている分気持ちは楽になったが

裏を返せばやめれる理由を増やしてしまったに違いない

ずっと頭の中で自分の弱さと戦っているが

だんだんと弱い自分に飲み込まれていく

設定した18時に間に合わないように身体が拒否していく

もうどうすればいいのかが、わからない

雨も降りだし、薄暗くなってきた

ヘッドライトを点け、坂を下る

もう完全に心は折れている ボロボロだ

安波の集落が見えてきた もう18時の鐘は鳴っている

エイドに着き、もう一度考える

この足でこれからまた数十キロも山道を行けるのか?

もし昨日みたいに大雨が降っても大丈夫なのか?

いろんなことを考えてみたが、これ以上進むことを考えると頭がおかしくなりそうだった

今年の挑戦はここで終わった。


結局自分で限界の線を引き止めてしまった  情けない

去年から何も成長していない



回収車のバスに乗り込む

自分の不甲斐なさに涙が止まらない

この為に1年間準備してきたのにこんなとこで終わるなんて考えてもいなかった

悔しさよりも情けない


何が足りなかったのか?何がいけなかったのか?考えたが

考えてみてもわからない

知識、経験、自分の装備でその時々の最善は尽くしてきた

悪くない判断はしてきたはずだ

もう認めるしかない 絶対的に実力不足だ

心技体全て

去年は完走出来たのになぜ今年は半分の距離でダメになったのか

ただ単に去年は天候がよかった ただのまぐれだ 運がよかったに過ぎない

今年みたいに荒れた天候ではまだまだ対応出来なかっただけ

弱くて弱い



バスはスタート地点に戻ってきた 

まだレースは続いているが、リタイヤ組はもう自由になる

もちろん月曜まで走るつもりでいたから宿もないが

幸いにも友人の蕎麦屋のおやじが迎えに来てくれ、家に泊めてくれた

ありがとう

2日間お世話になり、色々と頭を整理した

もう沖サバはもちろん走ることも辞めようとも思ったが

フツフツと湧き上がってくるこの感情  このままでは終われない!



月曜の朝どうしようか迷ったがこの目に焼き付けてこようと

選手のゴールを見に行くことにした

自分が出来なかったことをやり遂げる姿をみて感動したし、勇気も貰った

でもやっぱり見てて悔しかったし、羨ましかった

しっかり心に刻んでおこう 今の気持ちを忘れない為に

もっともっと強くなって来年必ず帰って来る!


家族には心配かけるが、どうしようもない...ね



記録 193km 29時間55分 リタイヤ

大会関係者全ての皆様本当にありがとうございました


◇宮古島 整体けんけん堂◇
○整体 60分 4,000円
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Comments 2

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徳島のライダー  
お疲れさん

今年の完走者5人ですね、5人は相当猛者たちでしょう
台風の影響の強風と大雨の中レースはどんな状況でも走るのができる人たちが猛者ですね
まあいい経験になりました、一日中レース経過を見ていました、心配しましたが元気でよかったです
来年もですね

2019/12/03 (Tue) 18:00 | EDIT | REPLY |   
けんけん堂  
Re: お疲れさん

今回大きな経験しましたので、来年はきっとやれます。今から楽しみです。

2019/12/05 (Thu) 11:45 | EDIT | REPLY |   

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